インフレ、物価高騰、実質賃金マイナスなど生活に影響する世情において、本業の収入だけでは不足を感じる方が多い中、収入を増やす方法として副業（兼業）が注目されています。
近年、国（厚生労働省）の「働き方改革実行計画」により企業、勤労者ともに安心して副業・兼業に取り組むことができるよう「副業・兼業の促進に関するガイドライン」など環境整備が進められており、企業にとっては新たな人材活用のチャンスとして副業を認める企業も増えています。
また、副業の収入だけでなく副業、兼業を利用したキャリア形成、スキルアップ、コネクション構築など、キャリアプランを見据えて副業にチャレンジしているワーカーもいるようです。
副業には興味はあるけど、副業を始めるにあたっての不安や疑問、あなたに合うおすすめの副業とは何か、副業のメリット、デメリットとは何か等々、副業に興味のある方向けに「副業の実態調査」アンケート（転職サービスdodaが社会人15000人対象）をもとに副業の現状をチェックしてみました。
副業の実行割合、副業内容、収入、就業時間など
副業をしている会社員の割合、どんな副業内容か、いくら稼いでいるか、いつやっているか、さらには副業が認められている企業で働いている人の割合などの調査結果。
副業をしている人の割合
調査では、会社員のうち副業をしていると答えた人が8.4％（2023年）、前年8.2％（2022年）より多少ですが増加傾向です。
副業が認められている企業に勤めている人の割合は27.5％（2023年）前年は25.3％（2022年）とこちらも増加傾向にあります。
調査結果から副業の平均月収
1万円未満：48.1％
1万円～2万未満：10.6％
2万円～3万未満：9.2％
3万円～4万未満：6.4％
4万円～5万未満：1.9％
5万円～6万未満：6.4％
6万円～9万未満：3.6％
10万円以上：13.8％
約半数の方が1万円未満の月収、5万円～10万以上の月収を稼いでる方は全体の約1/4という結果になりました。
年代別副業の平均月収
全体平均：65,093円
20代：27,968円
30代：32,281円
40代以上：96,564円
40代以上の平均月収が高いのは、100万円以上の副業収入を得ている方も一部存在しており全体の平均月収を引き上げています。
このような年代間の差は、経験やスキル、時間の使い方、さらには従事している副業の種類にも影響されていると考えられます。
実際に行っている副業
1.サービス業（接客・販売）：21.3％
2.株／FX：18.4％
3.ネットビジネス10.6％
（通販・アフィリエイト・ネットショップ運営）
4.講師／家庭教師／試験監督：6.3％
5.ホームページ・CGなどの制作：4.7％
6.マーケティング・広報・編集・ライター：4.6％
7.警備／軽作業：4.3％
8.ハンドクラフト（手作り品の販売）：3.8％
9.運送／配達（Uber Eatsなど）：3.5％
10.病院事務／薬局業務：3.3％
11.PC・回線設定／プログラミング：2.9％
12.チラシ配り：2.1％
13.製造／土木作業：2.0％
14.コールセンター：1.2％
15.その他：23.9％
以上のように副業の職種は多岐にわたっており、スキルレベルに応じて幅広い選択肢があるため、自分の得意分野や興味に合わせて選ぶと良いでしょう。
いつ副業をしているのか
「いつ副業をしているか」の質問では、「休日」が71.2％で最も多く、2番目に多かったのは「勤務終了後」で44.1%でした。
このほか、自宅などリモートワークで働く人の中には勤務中の休憩時間を利用したり、長期休暇時のみ副業を行っている人や、出勤前のちょっとした時間を利用したり、人それぞれ生活スタイルに合わせてスキマ時間を利用して副業を行っているようです。
副業のメリット・デメリット
副業にはメリットとデメリットがあり、副業は慎重に計画し、自分のライフスタイルや目標に合わせて選ぶことが重要です。
【 副業のメリット 】
1.収入アップ
本業以外での収入源を確保でき、生活の安定や物価上昇への対策に役立つ。
2.スキルアップ
新しい分野に挑戦することで、自己成長や本業へのプラスの影響が期待できる。
3.ストレス解消
趣味を副業にすることで、リフレッシュやリラックス効果が得られる。
4.人脈形成
副業を通じて新しいコミュニティや人脈が広がり、可能性が広がる。
5.自己実現
自分の興味や情熱を追求しやすく、仕事の満足度が向上する。
【 副業のデメリット 】
1.時間的負担
副業に多くの時間を割くことで、本業やプライベートとのバランスが崩れる可能性があるので時間管理が必要です。
2.収入の安定性
時間的な問題など副業収入が一定ではない可能性があります。その他要因により予想していたほど稼げない場合も発生します。
3.法的リスク
会社の規定や法律に違反しないよう事前確認（副業禁止の有無）、注意が必要です。
4.体力的負担
本業と副業の労働時間のバランスを考えて、働きすぎによる健康への悪影響がないように注意が必要です。
5.投資のリスク
株やFXのようなリスクが伴う副業の場合、損失が発生する可能性あります。
副業選びの注意するポイント
副業を選ぶ際に注意するポイントとして、以下のような点を考慮する必要があります。
1.目的を明確にする
副業の目的をはっきりさせることが第一歩です。例えば、「収入を増やしたい」「新しいスキルを習得したい」「趣味を仕事にしたい」など、自分の目標を具体的に設定しましょう。目的が明確だと、選ぶ副業の方向性がはっきりします。
2.自分のスキルや興味を活かす
副業には多様な選択肢があります。自分が得意な分野や興味を持つ分野から始めると、楽しみながら続けやすく、結果として成果につながりやすいです。たとえば、デザインやプログラミングのスキルがあれば「ホームページ制作」や「CG作成」、「プログラミング」など本業や趣味の延長線上から副業を選択できます。
3.リスクと時間を考慮する
副業を始める際には、無理のない範囲で計画を立てましょう。リスクが低く、初期投資が少ない副業から始めるのがおすすめです。副業を行う多くの人が「休日」や「勤務終了後」の時間を活用しているため、自分の生活スタイルに合わせた時間管理が重要です。
4.会社の規定を確認する
「副業が認められている企業」が増加傾向にあるとされていますが、まだ「副業禁止」の企業も多く存在します。始める前に、自分の勤務先の規定や契約内容をよく確認し、トラブルを避けるようにしましょう。
5.継続するための仕組みを作る
副業は始めることも大事ですが、続けることが成功の鍵です。具体的な目標を立て、小さな成果を積み重ねることでモチベーションを維持しやすくなります。また、無理をせず、自分のペースで進めることが重要です。
副業選びのチェックリスト
あなに合った副業は何か、次の項目をチェックし、具体的な副業プランを立てましょう。
【 副業に使用できる時間・日数/月間 】
1ヶ月のうち副業にあてることが可能な時間、日数を明確にする。
本業に影響しないように注意する。
【 副業で得たい目標収入額を設定 】
月間稼働可能な（時間/日数）を考慮して、月収ベースで副業で稼ぎたい目標金額はいくらか決める。
【 副業可能か確認 】
本業の会社の就業規則等で副業禁止になっていないか確認する。副業可能な場合、副業許可申請等の手続きが必要かなど確認する。
【 副業に生かせるスキルや資格の有無 】
副業をおこなう業種によって生かせるスキルや資格等はあるかチェックする。
【 副業をおこなう目的 】
なぜ副業をおこないたいのか、副業をおこなう主目的を明確にしておく。
（収入、スキル、人脈形成、その他）
これらのチェックポイントを検討、ワークライフバランスを考慮し自分に合った副業を選択してください。
タイプ別おすすめ副業
参考として、おすすめの副業をご紹介します。
【 手軽にできる副業 】
空き時間を効率的に活用し、報酬が少なくても少しずつ着実に稼ぎたい方。
【 労働系副業 】
時間労働により収益を得る副業、始めやすく収入を得やすいが時間の拘束、体力が必要。
【 スキルを活かした副業 】
得意分野のスキルを活かし、在宅でもできる副業。
【 オークションサイトで販売する副業 】
中古品、不要品、せどりなど需要のある商品を見つけ、メルカリ、ヤフオクなどのオークションサイトで販売。
【 ネットショップで販売する副業 】
自作のハンドメイド商品や需要のある商品を見つけ、ネットショップシステムを利用して販売。
【 オリジナル デジタルコンテンツを販売する副業 】
オリジナルイラスト・写真・音楽・電子書籍などをデジタルコンテンツマーケットプレイスで販売。
【 投資系副業 】
資産を運用して利益を得る副業、投資する内容によりリスクの大小あり、上手くいけばリターンも大きい、各種投資内容に関するノウハウ、スキル、投資資金が必要。
