シャネル・プラダ・コーチ・グッチ・ヴィトン・エルメス・ロレックスなど高級ブランド品や、ダイヤ、真珠など宝飾品、自動車、自動二輪車(バイク)、パソコン、機器工具、家電、書籍、CD、DVD、衣料、美術品、骨董品などの各種中古品を、競り形式(オークション)で取引している古物市場をご存知でしょうか。古物市場(業者オークション)は、「古物商許可」を取得した古物営業を業とする個人または法人だけが参加できます。
中古品は1品ごとに商品の状態が異なり、新品と変わらない未使用品から、古びた骨董品まで様々です。
中古品を取り扱う場合、バイヤーとしての目利き(評価、鑑定、etc)が重要になります。
この目利きの良し悪しで、利益も変わるので誰でも簡単に儲かるとは言いませんが、中古品には新品にない「安く仕入れて、高く売る」という商売の原理原則を実践できるメリットがあります。
古物市場(業者オークション)では、買い(落札)だけでなく、売り(出品)も行えますので、ご興味のある方は、激安仕入れも可能な古物市場(業者オークション)での、中古品仕入れを検討されてはいかがでしょうか。
ここでは、古物市場(業者オークション)に参加するために必要な「古物商許可(古物商許可証)」の取得方法についてご説明します。
古物とは、「一度使用された物品、新品でも一度取り引きされた物品、又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものを古物といいます。」
これらの「売買」を行なうためには「古物商許可」が必要です。
「古物商許可(古物商許可証)」は、盗品の売買または交換を捜査・検査するために、古物の営業所を管轄する都道府県の「公安委員会」の許可をうける必要があります。
ただし、古物商許可申請の窓口は、「古物の営業所を管轄する都道府県の警察署」です。
古物商許可には試験がないので、必要な書類を揃えて申請すれば、書類の不備、添付書類の不足、差し換え、欠格事由に該当するなどの問題がなければ、基本的に誰でも取得可能です。
欠格事由の内容は下表の通りです。欠格事由に該当する場合は許可が受けられません。
(欠格自由について不明な点は管轄の警察署の担当窓口にお問合せください。)
古物商許可が受けられない「欠格事由」
(1)成年被後見人、被保佐人(従来、禁治産者、準禁治産者と呼ばれていたもの)又は破産者で復権を得ないもの |
(2)罪種を問わず、禁錮以上の刑・背任、遺失物・占有離脱物横領、盗品等有償譲受け等の罪で罰金刑・古物営業法違反のうち、無許可、許可の不正取得、名義貸し、営業停止命令違反で罰金刑に処せられ、刑の執行が終わってから5年を経過しない者 ※ 執行猶予期間中も含まれます。執行猶予期間が終了すれば申請できます。 |
(3)住居の定まらない者 |
(4)古物営業法第24条の規定により、古物営業の許可を取り消されてから5年を経過しない者 ※ 許可の取消しを受けた法人の場合は、その当時の役員も含みます。 |
(5)古物営業法第24条の規定により、許可の取り消しに係る聴聞の期日等の公示の日から、取り消し等の決定をする日までの間に、許可証を返納した者で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの |
(6)営業について成年者と同一能力を有しない未成年者 ※ 婚姻している者、古物商の相続人であって法定代理人が欠格事由に該当しない場合は申請できます。 |
(7)営業所又は古物市場ごとに、業務を適正に実施するための責任者としての管理者を選任すると認められないことについて相当な理由のあるもの ※ 欠格事由に該当している者を管理者としている場合などが該当します。 |
(8)法人役員に、(1)~(5)に該当する者があるもの |
古物商許可申請の窓口は、「古物を営業する住所を管轄する警察署」の保安係や防犯係等に申請します。
(警察署によって担当部署名が異なりますので申請する管轄の警察署に直接確認してください)
古物の担当窓口において、古物商許可申請に必要な申請書類、、パンフレット等がもらえます。
窓口では、申請方法等くわしい説明をしてもらえますので、不明な点などあれば担当者に質問、確認して間違いないように申請しましょう。
(複数の都道府県に営業所がある場合は、各都道府県ごとに古物商許可申請が必要です)
警察署へ問合せ、確認する前の注意ポイント!
次のような点を決めてから警察署に問い合わせると、スムーズに手続きを進めることができます。
■ 古物商許可申請が「個人許可」か「法人許可」を決める。
古物担当窓口で、個人許可か、法人許可か確認されます。
個人申請か、法人申請によって申請書類の様式、添付する書類内容が異なります。
個人許可申請で得た古物商許可はその人、個人のものです。個人許可を受けた人が法人の代表取締役であっても、法人による古物営業はできません。無許可営業違反になります。法人として営業したい場合は、法人許可申請してください。
■ 古物商許可申請する古物の取扱い「品目」を13品目分類の中から決める。
許可申請時に取り扱う古物の品目(複数品目でもよい)を申請します。
(古物商許可取得後、取扱い品目の変更、追加等が発生した場合、変更届けが必要です)
■ 古物を営業所の所在地を決める。
古物営業を行う場合、古物の営業所(事業を行う拠点)の所在地を決めます。
古物商許可の申請は、古物の営業所(事業を行う拠点)の所在地を管轄する都道府県の警察署の古物担当窓口に申請します。
複数の営業所(事業を行う拠点)を異なる都道府県にまたがって設置する場合は、各都道府県ごとの警察署の古物担当窓口に申請しなければなりません。
古物許可申請の窓口 |
「営業所の所在地を管轄する警察署」の保安係や防犯係等警察署によって担当窓口が異なりますので申請する管轄の警察署に直接確認してください。 (営業所とは古物業を営む所:古物商許可を申請する住所) 複数の都道府県に営業所がある場合は、各都道府県ごとに古物商許可申請が必要です。 |
日本全国の警察署 |
日本全国の警察署の所在地を調べることができます。 Google Mapを利用した、日本全国の警察署所在地情報地図です。 郵便番号・住所・電話番号・URLを掲載しています。 日本全国 警察署マップ |
古物は、古物営業法施行規則により、下記一覧表の13品目に分類されています。
下表の【例】は参考です。古物商許可申請時に、あなたの取り扱う(営業する)古物が属する品目を登録します。
13品目のうちどれに該当するか不明な場合は、申請する警察署の担当窓口に必ず確認してください。
古物商許可された品目以外の古物を営業すると違反になりますので注意してください。
古物商許可後、品目の変更、品目の追加、その他、申請時に届出た事項に変更が生じた場合は、速やかに警察署の担当窓口に届け出が必要になります。
古物-13品目分類一覧表
(1)美術品類 | あらゆる物品について、美術的価値を有しているもの | |
【例】絵画、書、彫刻、工芸品、登録火縄銃・登録日本刀 | ||
(2)衣類 | 繊維製品、革製品等で、主として身にまとうもの | |
【例】着物、洋服、その他の衣料品、敷物類、テーブル掛け、布団、帽子、旗 | ||
(3)時計・宝飾品類 | そのものの外見的な特徴について使用する者の嗜好によって選択され、身につけて使用される飾り物 | |
【例】時計、眼鏡、コンタクトレンズ、宝石類、装飾具類、貴金属類、模造小判、オルゴール、万歩計 | ||
(4)自動車 | 自動車及びその物の本来的用法として自動車の一部として使用される物品 | |
【例】自動車、その部分品を含みます。タイヤ、バンパー、カーナビ、サイドミラー等 | ||
(5)自動二輪車及び原動機付自転車 | 自動二輪車及び原動機付自転車並びに、その物の本来的用法として自動二輪車及び原動機付自転車の一部として使用される物品 | |
【例】自動二輪車、原動機付自転車、タイヤ、サイドミラー等 | ||
(6)自転車類 | 自転車及びその物の本来的用法として自転車の一部として使用される物品 | |
【例】自転車、空気入れ、かご、カバー等 | ||
(7)写真機類 | プリズム、レンズ、反射鏡等を組み合わせて作った写真機、顕微鏡、分光器等 | |
【例】カメラ、レンズ、ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、光学機器 | ||
(8)事務機器類 | 主として計算、記録、連絡等の能率を向上させるために使用される機械及び器具 | |
【例】レジスター、タイプライター、パソコン、ワープロ、コピー機、ファックス、シュレッダー、計算機 | ||
(9)機械工具類 | 電機によって駆動する機械及び器具並びに他の物品の生産、修理等のために使用される機械及び器具のうち、事務機器類に該当しないもの | |
【例】工作機械、土木機械、医療機器類、家庭電化製品、家庭用ゲーム機、電話機 | ||
(10)道具類 | (1)~(9)、(11)~(13)に掲げる物品以外のもの | |
【例】家具、楽器、運動用具、CD,DVD,ゲームソフト、玩具類、トレーディングカード、日用雑貨 | ||
(11)皮革・ゴム製品類 | 主として、皮革又はゴムから作られている物品 | |
【例】鞄、バッグ、靴、毛皮類、化学製品(ビニール製、レザー製) | ||
(12)書籍 | 雑誌、本類 | |
【例】百科事典、漫画本、単行本、文庫本、グラビア雑誌 | ||
(13)金券類 | 金券類 | |
【例】商品券、ビール券、乗車券、航空券、各種入場券、各種回数券、郵便切手、収入印紙、オレンジカード、テレホンカード、株主優待券 |
「古物商許可」登録する品目(13品目:複数申請可)の内容によっては、各種「添付書類」が必要なことがあります。再申請など二度手間を防ぐためにも、申請前に管轄の警察署、担当窓口に相談することをお勧めします。
古物商許可申請時の注意ポイント!
■ 古物商許可申請書の「行商」は【する】に○を付ける
古物商許可申請書の記載欄、「行商をしようとする者であるかどうかの別」は【する】に○を付けておきましょう。【しない】に○をつけると、届け出た営業所以外での古物の取引ができません。つまり古物市場(業者オークション)で売買できないということです。
「行商」と「営業の制限」
露店、催し物場への出店など、自身の営業所の外で古物営業を行う場合を「行商」といいます。
「古物市場に出入りして取引を行う」、「取引の相手方の住居に赴いて取引する」、「デパート等の催事場に出店する」場合などは、許可内容が「行商する」となっていることが必要です。
■ 分からない点はすぐに担当窓口に確認する
ここで紹介している内容は基本的な申請方法です。実際に申請する都道府県によって多少申請方法が異なる場合があります。申請方法の事前確認はもちろんですが、申請書類記入、添付書類の用意など、申請準備中に発生した不明な点は速やかに担当窓口に確認しましょう。
■ 古物商許可申請を提出する時、忘れずに「訂正用印鑑」を持っていく
人間勘違いもあります。古物商許可申請時、誤字脱字などその場で訂正できるよう、「訂正用印鑑」を忘れず持っていきましょう。
許可申請に必要な書類
個人許可の申請 | 法人許可の申請 | |||
住民票(※1) | 申請者本人と営業所の管理者の全員 | 各正副 2通 | 監査役を含めた役員全員及び管理者の全員 | 各正副 2通 |
身分証明書(※2) | ○ 同上 | 各正副 2通 | ○ 同上 | 各正副 2通 |
登記事項証明書(※3) | ○ 同上 | 各正副 2通 | ○ 同上 | 各正副 2通 |
誓約書 | ○ 同上 | 各正副 2通 | ○ 同上 | 各正副 2通 |
履歴書 | ○ 同上 | 各正副 2通 | ○ 同上 | 各正副 2通 |
法人登記事項証明書 | × | × | ○ | 各正副 2通 |
定款の写し | × | × | ○ | 各正副 2通 |
ホームページを用いて古物の売買を行う場合 (※4) | △ URLを使用する権限があることを証明する資料のコピー2通 | |||
営業所の賃貸借契約書のコピー (※5) | △ | △ | ||
駐車場等保管場所の賃貸契約書のコピー (※6) | △ | △ | ||
申請手数料 | 古物営業の許可を受けようとする人 | |||
各種申請・届出手続 | 各種申請・届出手続(参考-警視庁) https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetsuzuki/kobutsu/tetsuzuki/index.html | |||
(※1)住民票は、本籍地(外国人にあっては国籍等)が記載されたものに限る。 (※2)申請者の本籍が所在する市区町村長が発行するもので、申請者が「成年被後見人・被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」に該当しないことを証明したもの。 (※3)東京法務局が発行するもので、「成年被後見人・被保佐人」に『登記されていないこと』を証明したもの。【登記されていないことの証明書の申請方法(東京法務局)】 (※4)ホームページを開設して古物の取引きを行う場合や、オークションサイトにストアを出店する場合は、当該ホームページ等のURLを届け出ます。ドメインの登録内容が、個人許可の場合は本人、法人許可の場合は、法人名、代表者名、管理者名で登録されていることが確認できる内容のものであることが必要です。 (※5)営業場所が正規に確保されているかを確認するものです。自社ビル、持ち家の場合は必要ありません。 (※6)自動車等の買取りの場合、保管場所が確保されているかを確認するためのものです。 賃貸ではなく自社・自宅敷地内に保管する場合は、保管場所の図面や写真等保管場所が確認できる資料を添付 |
「古物商許可証」受取り時の注意ポイント!
■ 古物商許可証の受取りについて
申請する地域の状況によって異なりますが、古物商許可申請後、申請内容に問題がなければ警察署から約40~60日程度で許可の連絡がきます。(スムーズに進んだ場合は若干早めに許可される場合もあるようです。)
許可がおりたら警察署より指定の電話番号に連絡が入りますので警察署へ受取りに行きます。
その際、身分証明書と印鑑が必要です。古物商許可証を受取ったら、古物営業開始の際、営業所に掲げる「古物商許可プレート」(登録した品目によりプレートの表示内容は異なります)の説明があります。
古物商許可プレートは、小さな看板状のもので、材質はアクリル板や金属板が多いようです。
警察署で製作業者を紹介してもらえる場合もありますが、基本的に自分で作製する必要があります。古物商許可プレートの大きさ、表示内容等は、製作前に警察署の担当窓口で確認してください。
「古物商許可」申請に関する詳しい内容については下記、【古物商許可申請】に関連する参考リンク( 警視庁・その他 )一覧表をご覧ください。
古物商許可申請に関連する参考リンク( 警視庁・その他 )
古物商許可申請 | 申請場所・時間・手数料・必要書類など |
書換申請・変更届出 | 主たる営業所または古物市場、その他の営業所または古物市場の名称及び所在地の変更届出。 |
再交付申請 | 古物許可証の交付を受けた者は、許可証を亡失、滅失したときは、速やかにその旨を主たる公安委員会に届け出て、許可証の再交付を受けなければなりません。 |
返納届出 | 古物許可証の交付を受けた者は、古物営業法第8条第1項各号又は第3項各号に掲げる場合のいずれかに該当することになったときは、遅滞なく、許可証をその主たる公安委員会に返納しなければなりません(古物営業法第8条第1項及び第3項)。また、当該許可証の返納は、その事由の発生の日から10日以内に、主たる営業所又は古物市場の所在地の所轄警察署長を経由してしなければなりません(古物営業法施行規則第7条)。 |
登記されていないことの証明書の申請方法(東京法務局) | 証明書の発行手続きは、東京法務局後見登録課または、全国の法務局・地方法務局(本局)の 戸籍課の窓口で申請できます。または、東京法務局後見登録課あてに郵送で申請も可能です。 |
全国の法務局地方法務局 | 成年後見登記に関する登記事項証明書・登記されていないことの証明書についての問い合わせ先一覧です。 |
申請届出様式等一覧 | 許可申請等、書換・変更、変更届、その他 (PDF・DOCファイル) |
根拠法令等 | 古物営業法に関する根拠法令等です。 |
【参考】
古物営業の許可には、「古物商許可」以外に、「古物市場主許可申請」、「古物競りあっせん業の開始届出」があります。
「古物市場主許可申請」は、今回のテーマにも取り上げている「古物市場(業者オークション)」を開設運営(主催)する場合、申請が必要です。
【古物市場主許可申請】・【古物競りあっせん業の届出】に関連
参考リンク( 警視庁-古物営業 )
古物市場主許可申請 | 古物市場(業者オークション)を開設運営する場合、申請が必要です。 |
古物競りあっせん業の開始届出 | 古物競りあっせん業者は、営業開始の日から2週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあっては、住所又は居所をいう。以下同じ。)の所在地を管轄する公安委員会に、氏名又は名称、住所又は居所、事務所の名称及び所在地のほか、古物営業法施行規則第9条の2第4項に規定する事項を記載した届出書を提出しなければなりません(古物営業法第10条の2第1項)。 |
古物競りあっせん業の変更届出 | 営業開始の届出書を提出した古物競りあっせん業者は、当該届出書の記載事項に変更があったときは、公安委員会に、届出書を提出しなければなりません(古物営業法第10条の2第2項)。また、古物競りあっせん業の変更の日から14日(当該届出書に登記事項証明書を添付すべき場合にあっては、20日)以内に、届出書を提出しなければなりません(古物営業法施行規則第9条の3第3項)。 |
古物競りあっせん業の廃止届出 | 営業開始の届出書を提出した古物競りあっせん業者は、古物競りあっせん業を廃止したときは、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する公安委員会に、届出書を提出しなければなりません(古物営業法第10条の2第2項)。また、古物競りあっせん業の廃止の日から14日以内に、届出書を提出しなければなりません(古物営業法施行規則第9条の3第3項)。 |